今回は、新しく何かを学習したり身につけたい時に役立つ”独学の方法”についてまとめておきます。
できれば、学生のうちに知っておきたかった。もっと言えば、子どもの頃に知っていたら、今と違った未来にっていたのではないかとさえ感じています。
働きながら大学に通ったり、いくつかの資格試験に挑戦したり、プログラミングを学んだりする中で役に立ちました。
きっと皆さんにも役立つ日が来るはずですので、参考にしてくれたら嬉しいです。
1,学習プロセスを解剖する
まずは学習する、プロセスについて考えてみましょう。
私たちは、興味を持ったものについて、ほとんど無意識のうちに学習する力があります。
映画やアニメを見た時に、ノートやメモを取らなくても、ほとんどの人がストーリーを説明することができるはずです。
これは、主人公の視点や感情になりきることで、擬似的な体験になっているためだと言われています。
同じことが、私たちの学習にも言えます。
授業や参考書で解説されても、すぐに忘れてしまうかもしれませんが、
その方法を自分でやってみると、覚える確率がぐっと高くなります。
そして、自分が学んでいることについて、誰かに教える事(伝える事)により、より深く理解することができます。
つまり、能動的な学習は、ほかのどの学習方法よりも効果的だということです。
2,ざっくりまとめた「独学の方法」
私たちは、何かを学びたいときにどうしたらいいのでしょうか?
その答えとして、ぼくは「行動を起こした時にもっともよく学べる」と確信しています。
むしろ行動を起こさない限り、体験しない限り”学び”としては弱く脆いと感じています。
さらに、学んだことを人に伝えることで、知識が補強され、より深めることができる。
この前提で考えたときに、私たちはどのように独学をしたらよいのでしょうか?
それは、なるべく早い段階で、実際に試せるようになり、すぐに行動を起こすことです。
学びたいことを使って、ある程度、遊べるぐらいまで到達したら基礎学習はほどほどにして、遊び倒すのが正解だと思っています。
例えば、プログラミングなら、ある程度の基本に目を通し動かせるようになったら、どんどん使って遊んでみることです。
AIを活用してもいいでしょう。この時に、何をしているかわからなくても、気にしなくてOKです
実際に遊んでいるうちに、うまくいかない部分や疑問が浮かんでくるはずです。
どのような疑問やうまくいかない状況かをよく観察しましょう。
一通り遊んで、いろいろな疑問が浮かんだら、本などの基礎学習で使ったものに立ち返ってみましょう。
こうすることで、受け身で本を読むのではなく、疑問を解決しようと書いてある内容を吸収しようと本に向かうことができ、何が重要なのかが見えてきます。
そして、また遊ぶステージに戻り、試してみましょう。
新しい疑問を見つけ、同じように学びを深めていきましょう。
最後に、自分が学んだことを誰かに教えることで、知識はより深まり、身に付きます。
教えるといっても、簡単な形でOKです。
家族に伝えてみたり、ブログやSNSで発信してみるのもいいでしょう。
3,忙しい私たちには独学の方法が必要だ。
はじめは学習するテーマの本を買ったら、はじめから目を通し、最後まできちんと読んでいました。
そうしないともったいないように感じていたし、それが普通だと思っていました。
しかし、この方法では時間がかかりすぎるデメリットがありました。
本の後半に差し掛かるにつれて、忘れてしまった点など確認するために前半に立ち返る必要があったりしました。
たっぷりと時間のあったころは、この方法でも問題なかったのですが、
子どもが生まれ、仕事も忙しくなると、この方法では学ぶことが難しくなりました。
こうした経験から、効率的に学習するために体系的な考え方が必要だと感じました。
毎日忙しく生活する、私たちが何かを学習するときには、以下の3点について整理したうえで学習することが大切になります。
1,学び始めるのに必要なことは何か?
学び始めるのに必要なことは何か? 学びを始めるために何が必要か知ろう。例えばプログラミングなら、言語に合わせた開発環境の用意などがこれに当たります。
2,学ぶテーマの規模はどれぐらいか?
学ぼうとしているものの規模はどれぐらいで、何ができるのかを知ろう。
例えばpythonという言語なら、基礎範囲のほかににもスクレイピングや機械学習、業務の効率化など、具体的にどんなことができるのか調べるイメージです。
3,基礎的な部分はどこか?
学ぶものを実際に使うために知っていないといけないことは何か知ろう。
例えばpythonでスクレイピングをするには、seleniumなどの使えるツールを知っておくことです。
この3点だけわかっていれば、細かい部分は進みながら学ぶことができます。
4,独学の10ステップ
学んでいるうちに、自分が何をしているのかわからなくならないためにも、
先ほどの3点と具体的な独学の方法を10個のステップにまとめ体系的に行動できるようにまとめたので、
時々自分がどこにいるのか確認しながら学んでいきましょう。
1,全体像をつかむ
何かについて学ぼうとするとき、1番はじめは何を学べばいいのかもわからないものです。
この段階では、学びたいテーマについての「基本調査」を行います。まずは、学ぶものがどのぐらいの規模なのか調べましょう。
ネットで検索してもいいですし、本をすでに持っているなら、目次などを読むだけでも全体像を知ることができます。
テーマについて実際に学ぶ前に、どのようなものか、どのぐらいの規模なのか知ることが目的です。
2,学びたいものをはっきりする
学びたいテーマの全体像がつかめたら、その中で学びたいものに焦点を当てていきます。例えば、「プログラミングを学びたい」というテーマでは大きすぎるます。
まずプログラミングの中でも「python」という特定言語にテーマに絞り、さらに「pythonを学ぶための開発環境の用意」「基本文の理解」などのように具体的に焦点を当てていこう。
この時に気をつけてほしいのは、焦点を絞る時に、関連する内容にも広げたくなるが、それは禁物だということだ。
1つの焦点ごとに1つの。ことを学ぶように意識していきましょう。
3,具体的な成功基準を決める
学習するうえでも意識したいのが、どういう状況になったら、その学習が成功なのかしっかり定義しておくことです。
どういう状態になれば成功なのかわからなければ、成功を目指すことも、成功したのか判断することも難しくなってしまうからです。
目標をはっきりすることで、そこに至る必要なステップも見えてきます。
例えば「HTMLをつかってWEBページを作れるようになる。」という成功の基準を立てたとしましょう。
この場合、どこまでHTMLについて学べばいいのか、曖昧さが残ります。
「HTMLを使って、自分のポートフォリを乗せるホームページを作る。」など具体的に決めるといいでしょう。
具体的な成功の基準を定めることで、行動する中で脱線してしまうことを防ぐ効果もあります。
4,参考資料を集める
この段階では、自分の学びたいテーマについて、参考になりそうな資料をなるべくたくさん用意しよう。
本屋さんへ行けばたくさんの本が並んでいるだろうし、現代ではネットを活用することも可能なので、たくさんの情報が見つかるはずです。
(この段階では、実際に本を購入しなくてもOKです。「これ役に立ちそう、買ってもいいかも」程度の候補を選ぶ感じです。)
この段階では、まだ選別する必要はありません。
後のステップで選別するので、なるべく異なる視点からの情報を集めましょう。
気を付けたいのは、一つの視点からの情報に偏りすぎないことです。
例えば、投資について学ぶときに「株式は危険だ!」という視点のみに偏ったり、「大きく稼ぐには、レバレッジをかけないと意味がない!」などのような偏った支店ばかりの情報を集めないようにしよう。
立場が違えば、同じものを見ていても真実は異なるものなので、あくまで情報収集の段階では
広く様々な視点からの情報を集めましょう。
5,学習プランを決める
ここまでで、多くの参考資料を集めたはずです。その参考資料を使えば、どのような順番で、何を学ぶべきか決めることができます。
覚えておいてほしいのは、どのようなテーマでもスムーズに学ぶための道筋があることです。
「基本的な知識」から、「使い方」に進み「応用編」のようなイメージです。
これは、書籍が章立てで進められるのに似ているイメージです。
参考資料の中に本がある場合は「目次」を見てみましょう。
複数の資料本の目次を見て同じような構成になっていれば、基本的にその流れで学ぶのがスムーズです。
しかし、本を1から読もうということではありません。
本は、網羅的に、広い内容を扱っています。
いま学ぼうとしている内容より広い内容を扱っていることがほとんどです。
その中から、いま自分が学ぼうとしている内容に必要な部分を選び、本の章立てのように
順序立てた進み方を組み立てましょう。
6,参考にする資料を決める
何を学ぼうとしており、どのような順番で学ぶか決まったら、どの参考資料を活用するか決めていきましょう。
「参考となる資料を集める」部分で多くの資料を集めたと思いますが、すべてに目を通して参考にするのはあまりお勧めできません。
なぜなら、多くの情報は重複しているし、そのすべて一語一句が自分の学習プランに合っている訳ではないからです。
沢山の資料の山の中から、自分にとって最良の資料を見つけ出す必要があります。
この段階ではじめて、参考資料として相応しい本は、購入してもいいでしょう。
レビューや目次に目を通し、学習プランに最適なものならよい自己投資になります。
資料の中から、実際に参考にする本や記事などを選別し、リストアップしておきましょう。
7,使い始められるようにする方法を知る
ここからいよいよ本格的に学習を開始します。
まずは、学ぼうとしているものを使い始められるようにします。
次の「使って試して遊んでみる」のステップで自力で動けるようになるための、最低限のことを学びましょう。
間違っても、ここで参考資料の本を進めることに夢中になってはいけません。
ポイントは、必要なことを最小限に学び、次のステップで使い始めてみることです。
イメージとしては、子どものころにゲームを買ってきて、電源の入れ方すぐに遊び始めてような感じです。
きっと、あなたも「説明書を全部読んで理解してから遊び始める」なんてことはしなかったはずです。
使い始めるのに必要な最低限のことを学んだら、実際に使い始めましょう。
学習プランの項目ごとにこのステップに立ち返り、スモールステップで7~10を繰り返しましょう。
8,楽しみながら実際に使ってみる
実際に使ってみる段階です。
プログラミング学習で例えるなら、学習サイトから飛び出して実際に開発環境をセットアップしたり、コードを書いてみる段階です。
実際に自分で行う中で、自然と様々な疑問が浮かんでくるはずです。
この疑問を解決しようとすることで、私たちは本当に重要な事を学ぶことができます。
自分で感じていた疑問を解決した時には、ただ教えてもらっていた時より
確実に身になり忘れにくくなります。知識に体験が伴い力に変わるときです。
疑問に対する結果を気にする必要はありません。
もし、解決できない場合は書き出しておきましょう。
試してみたけどうまくいかなかったことも記録しておきましょう。
次のステップで、その疑問に対する答えを探せばOKです。
9,役に立つことができるようにする
前回のステップで、いろいろと試したりしながら、自分では解決できなかった問題が残っているはずです。
この段階では、集めてきた参考資料を総動員して、その疑問に答えを見つけていきましょう。
必ずしも集めた資料を全部見る必要はありませんが、なるべく、疑問に感じていたことを掘り下げてみましょう。
少し時間はかかりますが、深い理解を得るチャンスです。
もしこの段階で、答えを見つけたり新しいことを学んだら、一つ前の段階に戻って遊ぶように使って楽しんでOKです。
ここまでくれば、基本的には学んだ知識としては十分満足できるレベルですが、できれば次のステップにも挑戦してみよう。
10,教える
最後のステップは、学んだことを「教える」ことです。
教えるというと難しく感じるかもしれませんが、友だちやパートナーに話してみたり
ブログや動画にアウトプットしてみるのも有効です。
大切なことは、自分の学んだものを頭の外に出し、他の人にもわかるように組み立てることなので、
相手がいるかどうかは極論関係ないのです。
始めは、手帳などに学んだものを自分なりに書き出して
学んだことの説明書を作るイメージでもOKです。
5,終わりの考察
社会人になっても「学ぶ」ことは大切です。
しかし、社会人になった時点で学習のルールも変化しています。
学生の時のテストのように何か決まった1つの答えがない場合も多くあります。
自分で道筋をつけて、自分で学ぶ方法は学校では教えてもらえませんが、
今回紹介した独学の方法は大人になった今こそ必要な学ぶ力だと確信しています。
ライフステージの変化とともに、大人が学ぶことは難しくなっていきますが、
大人になってからも学ぶ人と、大人になってから学ばない人では、数年後大きな差が開いていきます。
子育てで忙しい日々の合間にも、コツコツ学ぶ姿を子どもたちに見せながら
これからもさまざまなことに挑戦出来たらな・・・っとワクワクしています。